乳がんになって目が覚めた

乳がんになって目が覚めた

これまでの治療時の記録、また、当たり前に朝が来て過ごせている感謝の日々、そこから残していきたいことなども書いていきます。

【回想録➁】胸のしこりを見つけ初受診。マンモグラフィでは写らずエコーに写る

初めての乳腺クリニック。看護師さんに救われました

深夜にしこりを見つけ熟睡できないまま迎えた2014年6月16日の朝、

出勤する旦那と高校生の長男、中学生の次男を見送り、

一番下の幼稚園バスを見送ったあと、

とりあえず家から一番近い乳腺クリニックへ向かいました。

とても混んでいて「検診の予約をされていないので出直してほしい」と言われましたが、

「しこりがある」と伝えたところ私の優先順位が上がりました。

わりと早くに呼ばれ、まずはマンモグラフィ検査をし、

そして診察室に呼ばれました。

 

医師「マンモグラフィには特に何も見られませんねー」

私「あ~良かった、良かったです」

医師「いやマンモには写らなくてもね、良いわけじゃないんですよ。しこりあるんですよね?じゃ横になってください、エコーやりますからね、ちょっと見せてくださいねー」

私「はい、お願いします」

医師「あー、んー、えーと、これ多分ですね、ほぼね、悪性で間違いないでしょう」

 アッサリと、あっけなく、

力強く言い切られてしまいました。

そのあとは取り乱すことなんて出来なくて、

逆に、これはマズいぞ...と、

変な冷静さがありました。

でも、今もその時のことをこうして思い出すだけでのどの奥が苦しくなります。

やっぱり忘れられない瞬間でした。

 

医師「今日、御主人か誰か御家族の方は一緒に来られてますか?」

私「いえ、ひとりです。ひとりでも大丈夫です。もっと詳しい検査というのを今日やっていただけませんか?やれることやってしまってください」

医師「いや、まずは御主人と相談されて、病院もね、他にもありますしね、よく調べて納得がいかれるところで」

私「いえ、いいんです。とにかく早く進めてください。家からも近いしこちらで大丈夫です!まだ一番下の子が3才なんです。お願いします!」

医師「いや今日はまずね、帰られて御主人と」

私「お願いします。前の夫を癌で亡くしているんです。上の子たちのためにも私まで死ぬわけにいかないんです。お願いします。進めてください!」

医師「・・・今すぐどうこうじゃないですから、とにかくご主人とまたいらしてください」

 

そして看護師さんに促され、待合室に戻りました。

そして看護師さんは私の目線に合わせしゃがんで、優しく言いました。

「びっくりしたでしょう、びっくりしますよね」

私はその瞬間、涙がボロボロ出てきました。

泣き出した私の横で看護師さんが静かに話してくれたことが、

その後につながったと今も感謝しています。

看護師さんは、なるべく私の耳元に近い位置で静かに話してくれました。

ここの病院でも手術もできるし問題はないんだけど、

もっと大きくて設備が整ってる病院があるということ、

市内には調べればまだまだいろんな病院があること、

必ず乳腺外科医のいる病院へ行ってほしいこと、

大きな声で言えないけれどできれば他の病院に行ってみてほしいということ、

しっかり御主人と話して、調べて、

そして病院を決めて受診する際は「他の病院を受診して悪性じゃないかと言われた」ことは言わずに「しこりを見つけたから」とただそれだけを言ってほしいこと、

そうしたら1からきちんと診てくれるので、そのほうが安心だから、と。

 

そして私は、深々と頭をさげ、

帰宅の途についたのでした。

 

f:id:purikoko:20201102235519j:plain

子供の反応。次男の場合。

その夜、野球部の次男が泥んこになっていつもどおり帰宅、

最後の中体連の試合を前にキャプテンとして奮闘している毎日でした。

そして次男がお風呂に入り、脱衣所の洗濯物の処理をしていたときでした。

「そういえばオカン病院行ったの?どうだった?」

浴槽に浸かりながら次男が聞いてきました。

そして私は風呂のドアを開けスリッパのまま入り込み、

しゃがんで湯舟の中にいる次男の目を見て言いました。

「ごめん、オカン、乳がん確実みたい。でも一応もっとちゃんと違う病院で検査してくるから大丈夫だから。見つかっても初期だよ、お父さんの時の状況と違うから大丈夫だからね」

 前の夫は2003年、長男が6才、次男が3才のときに末期の大腸癌がわかってから僅か1ヶ月半で亡くなっています。

その時とは訳がちがう、ということをまずは伝えたかったのでした。

そのまま私は次男に出す夕食の準備に戻ったのですが、

なかなかお風呂からあがってこないな~と浴室にまた行ってみると、そこには次男の姿はなく、お風呂の蓋もあけっぱなしでした。

床には濡れた跡が階段のほうに続いていたので、

まさかと思い部屋へ行ってみると、

次男は布団をかぶりスッポンポンのままワンワンと泣いていたのでした。

f:id:purikoko:20201103062053j:plain

その後に行った病院で、初期なんかじゃないことがわかりました。

長い治療の始まりでした。

それまでの生活、全てが変りました。

子供達を残していくわけにいかない、

ていうか、家族と離れるなんてできない。

まだまだ一緒にいたい。

 

その思いが、自分を強くしていきました。

 

 

 

 2019こどもの日(帰省にあわせ記念撮影)

f:id:purikoko:20201208063351j:plain
コロナで集まれず今年は初めて写真を断念(-_-)

現在は、23才と21才と9才。

社会人と大学生と小学4年生。 早いなー

 

 

purikoko.hatenadiary.com